白革スニーカーをホワイトニング 〰おこしやす京都〰

 〜大阪梅田にて〜

「あっ! ヒロさんや!」  

 まいど!

「いつもブログ拝見してますよ」  

 おおきに!

「哲学的な、情緒的な、社会的な、画期的な、狂気的な、変態的な、非合法的な、衒学的な、全方位的に不穏なブログいつもありがとうございます」  

 褒めとんかそれ?

「おい、みんな集まれ! ひろさんを胴上げしようぜ!」  

 おい、やめやめ、やめんかい!

 IMG_1699.JPG

 わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!

「手ぇ疲れたからもうええわ。このへんに棄てたろ」

 おいっ、やめろて!

 

IMG_1704 (1).jpeg

IMG_1705.jpeg

(大阪湾から迷い込んだクジラの淀ちゃん)

IMG_1706 (1).jpeg

IMG_1707.jpeg

IMG_5252.jpeg

(京都・金閣寺の池に落水)

 はい、そういうわけで(←どういうわけやねん)梅田から京都店に異動することになりました「ひろ」です。

 これからも引き続き、このブログという名の電子の海に、言葉の礫を投げ続けることになりました。よしなに。

 新しい環境にてリスタートするわけなんですが、さて。足元に目を落とせば、そこにあるのは黒ずんだ、かつて白かったはずのスニーカーです。

 梅田という、巨大な資本主義の街で、連日の激務という名のポリリズムを共に刻み続けてきたそのスニーカー。あまりにリアルな「生活の澱」が、素材の奥深くにまでマチエールとして沈着してしまったようです。

IMG_1713.JPG

IMG_1714.JPG

 もちろん、それを「戦い抜いた証」と呼ぶことも可能でしょうが、今、私がいるのは京都です。あの、千年単位の静謐な狂気と、雅やかな視線が交差する、特異な時空。そこに、隠しきれない生活臭が滲みすぎたフットウェアを晒すのは、いささか、いや、決定的にエレガントではありません。

 ここはひとつ、徹底的なクリーニングを施すべきでしょう。それは単なる清掃ではなく、一種の、精神分析的なデトックスに近い儀式になるのではないでしょうか。

 今回手に取ったのはスニーカー専用の拭き取りシート。

0810887024958-1.jpg

JASON MARKK クイックワイプ 3枚入り 825円(税込)
商品ページはこちら>>

30枚入りはこちら>>

 表面に堆積した『くいだおれの記憶』という名の汚れを、六波羅蜜寺の空也上人が吐き出した御仏のごとく、一文字ずつ丁寧に拭い去っていきます。

 大阪の淀川の泥にも似た日常の汚れを、洗剤という名の「理性の光」で照らし出し、本来の空白を呼び戻します。心に描くのは、静止した鴨川上流のせせらぎ。その清廉さを、履物に写し取ります。

IMG_1716.JPG

 洗浄が終われば、次は白い靴墨を薄く、丁寧に塗り込んでいきます。この着色という行為こそが、物に命を吹き込む下命となります。

4971671174306-1 (1).jpg

コロンブス(COLUMBUS) シルバーライン シュークリーム 55g ホワイト 1,100円(税込) 
商品ページはこちら>>

IMG_1717.JPG

 塗布したあとは、豚毛ブラシで磨き上げます。

4940356955158-1.jpg

ワークブラシ+ 豚白 1,100円(税込)
商品ページはこちら>>

他のカラーはこちら>>

 ここはひとつ、清水の舞台からぶぶ漬けを啜りながら飛び降りるくらいの、覚悟をして磨きましょう。その迷いのなさが、一切の濁りがない白を生成するのです。

IMG_1719.JPG

 磨き上げられたその姿は、冬の貴船を覆う初雪のごとく、花街で初陣を飾る舞妓のごとく、過剰なまでに純白です。

IMG_1720.JPG

IMG_1721.JPG

IMG_1722 (1).JPG

IMG_1723.JPG

(左足のみクリーニング済み)


IMG_1724.JPG

 (両足完成!)

 だが、この純白が一度の夕立で台無しになるのは、極めて「いけず」な不条理と言わざるを得ません。だからこそ、侵すべからざる防水スプレーという名の「結界」を張ります。

0810887028277-1.jpg

ジェイソンマーク(JASON MARKK) PFASフリー リペル(PFASFREE REPEL) 2,970円(税込)
商品ページはこちら>>

 筒先は二十から三十センチを維持すること。

 近すぎれば液が垂れてしまい、取り返しのつかない染みを残します。愛着と隔たり。京の路地裏における、あの、付かず離れずの割り切れない距離を保つのが、美学を維持するための秘訣です。

 一箇所に集中させず、膜は常に薄く、均一に。

 一度に済ませるのではなく、「薄く噴いては乾かす」を二度。これが最も堅牢な防壁となります。

 防水スプレーを噴霧してすぐに外へ出るなど、千本鳥居を全速力で駆け抜けるような無粋。あまりに野暮というものです。

赤 白 インパクト vlog Youtubeサムネイル.png

 風通しの良い日陰で、三十分ほどなじませます。焦燥は禁物。あなたの胸にある切実な意志を、乾くのを待つ静寂の中に忍ばせましょう。

 これで急な雨も「あら、賑やかなことで」と、京マダムのように余裕で受け流せます。靴に一切の不浄を寄せ付けない強さを実装するのです。

 このスニーカーを履いて、都を歩けば、八坂の塔を背に歩いても全く見劣りしない、気品あふれる純白を維持できるはずです。たとえ羅生門の廃墟を歩こうとも、防水スプレーという名の「結界」により、老婆があなたの髪を抜こうと手を伸ばしてくる心配はありません。ただし、産寧坂(三年坂)で足を滑らせて転倒しないよう気をつけて歩きましょう。

 真っ白な靴は、歩くたびに自分の心根を、鋭く、そして正しく律してくれることでしょう。

「ええ靴履いてはりますなぁ(=靴だけ立派で浮いてますね)」なんて、褒め言葉の皮を被った毒を西陣の路地裏で浴びている間に、円山公園の枝垂れ桜が蕾を膨らませる、そんな春の足音が待ち遠しい、晩冬の古都でした。

(おわり)

工場生産遅延の影響で入荷日の遅れや商品仕様の変更が生じる場合がございます。
※掲載商品は一部店舗では取り扱いがない場合がございます。取り扱い状況については各 店舗へお問い合わせください。
※掲載商品は、一部の店舗ではお取り寄せになる場合がございます。
※一部価格・仕様の変更、および数に限りがある場合もございます。
※掲載写真には一部演出用品およびイメージ画像が含まれ、店舗でお取り扱いがない場合 がございます。 
※商品価格等の情報は、掲載時点のものです。

スタイルコンスタ

バッグ&トラベル、革小物などのパーソナル用品、アウトドア、シューケアなどの知識を持つスタッフです。身の回り小物のケア方法などについてご相談ください

京都店ひろ

シューケアマイスターはハンズ独自の研修と厳しい試験をくぐりぬけた、シューケアに関する知識とスキルを兼ね備えたスペシャリストです。お客様の靴に合ったシューケア用品や、お手入れ方法などをご紹介します。 店頭にてお気軽にお声がけください!

この記事の関連タグ

いつもヒントマガジンをご覧いただきありがとうございます。今後の記事の参考のため、ぜひお客様のご感想をお聞かせください。選択式の簡単なアンケートと、一言コメントのみでもお待ちしております。

アンケートに答える