キングジムに潜入!独創的な文具を次々生み出すパイオニアのこだわりとは【連載_文房具への異常な愛情Story10】

文具のトップランナー〈キングジム〉を訪問

元クレイアニメ作家で輸入文具店で働いたのちにハンズにやってきたという、異色の文房具バイヤー大島による連載企画。記念すべき第10回目は、文具のトップランナー〈キングジム〉を掘り下げます。デザインや機能の細かなこだわりが何より大好き。そんな大島の琴線に触れるポイントとは?恒例の直筆イラストもお楽しみに!

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〈キングジム〉って、どんなイメージですか?

―大島さん、こんにちは!連載もめでたく10回目を迎えましたね!


大島:ようやく10回目・・・すべては皆様のおかげです!ということで、節目となる今回やってきたのは文具・事務用品メーカーの〈キングジム〉さん。新商品も紹介していただきます。

ハンズ 文房具バイヤー 大島(ロゴを見ると触りがち)
ハンズ 文房具バイヤー 大島(ロゴを見ると触りがち)

大島:お話を伺うのはこちらのお二人。今日はよろしくお願いします!

キングジム 臼井さん、金谷さん
株式会社キングジム 開発本部 ライフグッズ開発部
左:スタイル文具課 臼井さん、
右:ステーショナリー・防災課 金谷さん

臼井さん・金谷さん:よろしくお願いします!

―まずは大島さんに質問を。〈キングジム〉にはどんなイメージを抱いていますか?

大島:ファイリングのパイオニアですね。「ファイル」という言葉を世に出した人たちなのでは?というくらいの、先駆者のイメージです。間違いではないですよね?

金谷さん:1927年に創業者が開発した「特許人名簿」が、収納という意味でのファイルの始まりだといわれています。

臼井さん:「溶着式のクリアーファイル」は弊社発祥で、厚型ファイルに関しても先駆者ということで間違いないと思いますよ。


大島:やはり。それと、"事務事務しい"アイテムを扱っていながら、くだけたところがあるのも魅力で。アイデア商品もたくさんあるし。SNSでの発信も活発で、それがまた面白くて。いつもXを見てニヤけています。

臼井さん:ありがとうございます!最近は若手社員の声でTikTokも始めましたので、そちらもぜひ。

大島:まじめにふざける、というんですかね。「この人たちは楽しんで仕事をしてる」というのが垣間見られて、こちらも楽しい気分になります。

―では、キングジムといえばどのアイテムを思い浮かべますか?

大島:私の中の2大巨頭は〈テプラ〉と〈キングファイル〉。他にも印象的なアイテムは多々ありますが、一般的には「これってキングジムの商品だったの?」というものが多いのかも。当たり前のように自然に使われているので。

金谷さん:それはありますね。私も実体験があって。中央部分にリングがないリングノート〈テフレーヌ〉を学生時代に愛用していたんですが、就職活動でキングジムのことを調べた時に後から「キングジムの商品だったんだ」と知りました。

臼井さん:かゆいところに手が届くというか、「こんなものがあれば」という漠然とした悩みを解決できるところを評価していただけているのかなと思います。

大島:ブランドではなく、機能や実用性で選ばれているということ。お客様に「実はこれ、こうなってるんです」と説明したくなる商品がたくさんありますから。

 

目指したのは「事務の王様」、大切なのは機能性

―〈キングジム〉の成り立ちを簡単に教えてください。

金谷さん:1927年に創業者の宮本英太郎が「特許人名簿」と「印鑑簿」を発売し、1948年に前身の会社「名鑑堂」を設立。1961年に社名が「キングジム」に改称されました。経営理念は「独創的な商品を開発し、新たな文化の創造をもって社会に貢献する」。この理念に惹かれて私は入社しました!

金谷さんによるキングジムの成り立ち紹介

 

大島:パイオニア精神が脈々と。社名の由来は"事務の王様"なんですよね・・・?

金谷さん:はい、じつはそのままです。当時の社長や役員が「事務用品メーカーの王様になりたい」という想いを込めて名付けました。

大島:キングを名乗って60年以上。そして本当に王様になってしまったと。そのダジャレ文化みたいなものは、いまも商品名に生かされていますね。

臼井さん:商品名は、みんなで楽しく考えています。案を出しあって、ちょっと大喜利みたいな感覚で。

☆大島バイヤーの直筆!イラスト解説Part1☆
☆大島バイヤーの直筆!イラスト解説Part1☆

―ネーミングも含めて、キングジムの商品は見せ方やデザインにもこだわっている印象がありますが、事務用品の機能性とデザイン性の関係についてはどうお考えですか?

大島:削ぎ落とされたミニマルなもの、変に着飾らないものが事務用品のあるべき姿だと、個人的には思っています。だから、まず大切なのは機能性で、デザイン性はその次。「機能美」という言葉も、機能あっての話ですからね。キングジムとしては、いかがですか?

金谷さん:おっしゃるとおり、機能性や実用性がベースにあって、その上でのデザイン性だと思っています。

臼井さん:私の担当の〈ヒトトキ(HITOTOKI)〉はかわいさから入るお客様が多いのですが、ブランドとして大切にしているのは、かわいいだけで終わらないこと。使いやすさや楽しい工夫を常に盛り込むように心がけています。

臼井さんのお客様とのエピソード

 

大島:これも機能のひとつですが、キングジムの商品って丈夫ですよね。〈キングファイル〉なんて、どんなにガシガシ使っても壊れない。

金谷さん:社内でも"キングジム品質"と呼んでいて、そこは大事にしています。

臼井さん:以前、お客様から「テプラがいつまでも壊れない」という問い合わせがありました。「10年前に買ったテプラがまだ全然使えるから、新しく買い替えられない」と。

大島:新しい形のクレームだ(笑)。それって最高の褒め言葉ですよね。丈夫なことは特別なこと。ユーザーとしてはすごく助かります。

 

実用性で選ばれる!ファイルシリーズ

―ここからは、個別のアイテムの解説へ。

大島:まずは定番のファイルシリーズからいきましょう!

 

キングジムといえばコレ!の超定番ファイル

キングジム キングファイル スーパードッチ

キングジム(KING JIM) キングファイル スーパードッチ 脱着イージー 1,221円(税込)より
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金谷さん:主にオフィスや学校で使われている、大量の書類を効率よく整理・保管するためのファイルです。特徴は品名にもあるように、とじ具が左右"どっちからでも"開くところ。片開きのファイルは奥の書類が取りにくくなるので、そういうニーズに応えて生まれました。

キングジム キングファイル スーパードッチの特徴

 

大島:超のつく定番、キングofキング。見慣れてしまいましたが、両側から開くって、なかなか画期的で。サイズも豊富でガシガシ使えて、使い勝手は抜群。もはや進化の必要はないほど完成された、パイプ式ファイルの究極形だと思っています。

金谷さん:とじ具はすべて取り外せるので、表紙だけ取り替えたり、廃棄する際もきちんと分別できたり、といったエコロジーな側面も持っています。

大島:そういうところも素晴らしい。個人的には、とじ具を外す時の「カシャンカシャン」という音と感触が気持ちよくて。これがやりたくてファイル整理しているところもありますね(笑)

とじ具の音が好きな大島バイヤー

 

金谷さん:ちょっとわかります(笑)。用途としては、書類の整理はもちろん、お店で生地などの見本帳として使われることも多いですね。厚みを活かして、機械の部品など立体的なものを収納することもできますよ。

 

A4なのにA3もOK!のクリアーファイル

キングジム サイドインクリアーファイル カラーベース

キングジム(KING JIM) サイドインクリアーファイル カラーベース A4S 各1,584円(税込)
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金谷さん:クリアポケットでA4書類を保管するファイルですが、特徴は書類を上からではなく横から挿入するところ。逆さにしても書類が落ちないというメリットがあります。そしてこの仕様にすることで、A3の紙も見開きで入れられるようになりました。

A3の紙も見開きで入れられます

 

大島:図面や楽譜の保管にも便利。少しの工夫で利便性がグンとアップするという好例ですね。

金谷さん:サイドインでとじ具の付いたタイプもありますが、A3が収納できるのはこちらの溶着式だけです。

大島:溶着部分も独特。三角形が連なったようなデザインで、ちょっとカッコイイんですよね。

溶着部分の独特な三角形に注目する大島バイヤー

 

金谷さん:そこを褒められたのは初めてです(笑)

大島:メチャメチャ気になってましたよ、私は。いろいろ試した結果、この三角形になったんだろうなと。

金谷さん:ポケットが強く引っ張られる方向に対して耐久性を持たせるための加工です。デザイン性を一番に意識したわけではないんですけどね。

大島:機能ありきで、結果的にデザインチックに。単純にビーッと溶着するのとは、ひと味違う。しかも真ん中の見開きでしか出会えないという希少性(笑)

 

見出し部分にも注目?のリング式ファイル

キングジム クリアーファイル カラーベース

キングジム(KING JIM) クリアーファイル カラーベース 差し替え式 各2,266円(税込)
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金谷さん:続いてはこちら。クリアポケットを差し替えできるリングタイプのファイルで、書類は上から入れる仕様です。

―先ほどのサイドインもですが、「カラーベース」とは?

金谷さん:クリアポケットの中に色付きの台紙が入っています。台紙があることで表裏で書類を2枚入れても透けなくなり、見た目もきれい。台紙のカラーは表紙と同じ色味に揃えています。

カラーベースという台紙はこだわりの形です

 

大島:ただの白い紙じゃないのがミソ。ドット罫も印刷されていて、細かなこだわりを感じます。何かをコレクションするスクラップ的な使い方もできますね。

金谷さん:おそらくお気づきだと思いますが、インデックス用の仕切り紙は、見出し部分が出っ張った形状のクリアポケットに入っています。

インデックス用の仕切り紙はこだわりポイント

 

大島:気づかなかった!でも仕切りは紙だけでもいいのに・・・。クリアポケットに入っているのも、クリアポケットがこの形状なのも、製造現場で紙をどう入れているのかも、謎すぎて面白い。

金谷さん:開発者のこだわりですね、きっと。見出しをテプラで貼る前提だったのかも?貼ったり剥がしたりしやすいように。

大島:なるほど。サイドインも便利ですが、このタイプも根強い人気があります。最近は「推し活」も盛んですし、クリアーファイルのニーズはまだまだ高い。

金谷さん:ちなみに溶着タイプもありますので、お好みで。

キングジム クリアーファイル カラーベース
※こちらの商品は、一部店舗のみの取り扱いとなります
 

〈ヒトトキ(HITOTOKI)〉で毎日をちょっと楽しく!

大島:続いては〈ヒトトキ(HITOTOKI)〉シリーズを。

臼井さん:〈ヒトトキ(HITOTOKI)〉は「毎日をちょっと楽しくする」がコンセプト。「ちょっと楽しい」を日々重ねていく、その手助けとなるアイテムづくりを目指しています。

 

マステの常識を覆す!「切った」のが画期的

キングジム キッタ

キングジム(KING JIM) キッタ(KITTA)シリーズ 418円(税込)より
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臼井さん:〈キッタ(KITTA)〉は短く切られたマスキングテープ。あらかじめカットされているので使いやすく、折りたたむとカードサイズになって持ち運びもラクラク。ロール状のマステはかさばるのが悩みなので、どうすれば持ち運びしやすくなるかを考えて、この形に行き着きました。

キッタの開発秘話

 

大島:その名の通り"切った"わけで。登場した時は目からウロコでした。丸くなくたって、はじめから切れていたって、OKなんだと。

臼井さん:マステは「どう組み合わせればきれいに仕上がるかわからない」という声も多いのですが、〈キッタ(KITTA)〉は同系統の4つの色柄がセットになっているので、組み合わせにも悩みません。

使い勝手もしっかり考えられた配色デザイン

 

―使い勝手もしっかり考えられているんですね。

大島:柄やデザインのソースはどんなところに?

臼井さん:イラストを描かれている方の他に、刺繍などの作家さんにお願いすることも。例えばこれはガラス作家さんの作品をモチーフにしたもので、細かな気泡まで表現しました。

ガラス作家さんの作品をモチーフ
ガラス作家さんの透明さを表現するためにこちらのシリーズは紙ではなく透明フィルムに印刷をしているというこだわりよう

大島:持ち運べるアートですね。箔押しも駆使していて、どれもアート作品的に仕上がっているから素敵。

臼井さん:新しいものを楽しんでほしいという思いで種類を増やし、こちらの最新シリーズは第15弾。シールタイプや切手風シールなど、バリエーションは増え続けています。

大島:もう"切った"を超越してる。ファンからの期待も高まっていて大変なんじゃないですか?

臼井さん:ちょっとプレッシャーです(笑)。でも楽しみながら試行錯誤しています。

 

日本における「透明マステ」のパイオニア

キングジム ソーダ 透明マスキングテープ

キングジム(KING JIM)  ソーダ (SODA) 透明マスキングテープシリーズ 363円(税込)より
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臼井さん:〈ソーダ (SODA)〉は貼って剥がせる透明のマスキングテープです。韓国や台湾で透明マステが流行った時期に、日本における先駆けとして発売しました。

大島:たしかに国内メーカーではなかったですもんね。当時のマステコーナーに風穴を開けた感じでした。

貼って剥がせる透明のマスキングテープ

 

臼井さん:和紙製のマステはもう飽和状態で。そんな中で、いつもと違うデコレーションを楽しめるということで人気を集めています。

―こちらも〈キッタ(KITTA)〉と同様にバリエーションがすごい。

臼井さん:最新シリーズは第5弾。毎シリーズ24種類ほどつくっているので、かなりの数になっています。

大島:毎回24種類!これまた開発のプレッシャーがすごそう(笑)

―「ソーダ」という名前はどこから?

臼井さん:「透明であること」をどう伝えようかと考えて、パッと耳にした時に涼やかで透明感のある名前ということで名付けました。

大島:シュワッと爽やかな感じで。透明だからこそのデコ方法ってあるんですか?

臼井さん:ソーダ同士を貼りあわせた使い方は透明ならではですね。ボトルなどに貼るのもおすすめですよ。

透明さを活かした使い方がおしゃれ

 

大島:クリアな素材との組み合わせは面白いかも。窓ガラスに貼ったらステンドグラスっぽくなるし。マステといえば手帳のデコというイメージですが、そこに留まらない可能性を感じます。

 

見た目はコスメ!彩り華やかなNEWシール

キングジム コフレ

キングジム(KING JIM) コフレ(COFFRET) 各594円(税込)
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臼井さん:コスメのパレットをイメージした、透明感のあるフィルム素材のデコレーションシールシリーズです。デザインの最先端を行っている化粧品のニュアンスを取り入れたいという思いで開発しました。

大島:〈ヒトトキ(HITOTOKI)〉の最新シール。店頭のディスプレイもすごくて「ここは化粧品コーナーか」と思いました。いろんな垣根を超えてきた感じです。

キングジム コフレのデザインも組み合わせて使いやすいデザイン

 

―これまた種類が豊富ですね。

臼井さん:形状は5種類、カラーは4種類。同じ形状やカラーを組み合わせるとバランスよく仕上がりますよ。

同じ形状やカラーを組み合わせるとバランスよく仕上がります

 

臼井さん:シールのデザインも、より化粧品らしさを演出するためにイラスト系は、あえてつくっていません。あと、アイシャドウはラメ入りが1つパレットに入っていることが多いので、〈コフレ〉もラメのようにキラキラ光る箔のデザインを必ず入れています。

大島:ブレない徹底ぶり。フタまで付いてるし。2〜3個だけ商品化するのではなく、こんなにたくさんつくってしまうあたりが、さすがキングジムです。

 

「手帳のように」自分らしく使えるノート

キングジム ヒトトキノート リングノートタイプ

キングジム(KING JIM)  ヒトトキノート(HITOTOKI NOTE) リングノートタイプ
パスポートサイズ 各704円(税込)
コミックサイズ 各924円(税込)
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臼井さん:「手帳のように使えるノート」がコンセプト。日々の記録やデコを楽しんでいただくために、方眼罫を採用したり、日付を記入できる欄を設けたりしています。

キングジム ヒトトキノート リングノートタイプ

 

大島:立ち位置は、あくまでもノート。

臼井さん:手帳とノートの"いいとこどり"ですね。手帳のように日付表記があると、書けない日が続いて空白ができた時に落ち込んだりするので、自分のタイミングで日付を記入して記録できるのがウリです。ラウンドジップとソフトカバーに続いてこちらのリングノートが登場し、種類も豊富になりました。

大島:中身の工夫やコンセプトはもちろんですが、個人的には裏表紙が板紙なのが高ポイント。さりげなくロゴのエンボス加工も施されていて、私の琴線に触れまくりです。

裏表紙の板紙にあるエンボス加工が気に入った大島バイヤー

 

臼井さん:(笑)紙面内に枠線を付けているのもポイントで、額縁のような効果できれいな見た目に仕上がるんです。

大島:ホントだ。枠線に沿ってデコると自然と作品っぽくなりますね。

額縁のような効果できれいな見た目に仕上がります

 

臼井さん:ページ数にも意味を持たせていて。毎日書くと4ヶ月ほどで使い終わる量なので、ちょっと休みながら3日に1回くらいのペースで書けば、1年ほどで使い終わる計算になっています。

大島:無理せず使っていこうよと。やさしいなぁ。

―表紙のバリエーションも豊富です!

大島:マステやシールがあって、それを貼るノートもできたとなると、次に〈ヒトトキ(HITOTOKI)〉シリーズで欲しくなるのは・・・筆記具ですかね。出しましょう「ヒトトキペン」。

臼井さん:またまたプレッシャーですが・・・頑張ります(笑)

☆大島バイヤーの直筆!イラスト解説Part2☆
☆大島バイヤーの直筆!イラスト解説Part2☆
 

〈キングミニ〉はキングジムの終着点?

 

人気のミニサイズシリーズに第3弾が登場

キングジム キングミニ第三弾

キングジム(KING JIM)  キングミニ
ミニカラーベース 各550円(税込)
ミニリングファイル(3穴バインダー) 各660円(税込)
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金谷さん:弊社のおなじみのアイテムを小さくした〈キングミニ〉シリーズ。今回登場した2アイテムは第3弾となります。

大島:ミニチュアって、ある程度の知名度があるものでなければ成立しないじゃないですか。だから、ミニチュア化というのは企業にとってはいわば"ご褒美"だと思います。でも、よく商品化までたどり着きましたね。

金谷さん:小さくして飾るだけではキングジムらしさがないので、ミニチュアとしてのかわいらしさを保ちつつ、通常商品と同様の機能を持たせることで商品化のGOに至りました。基本的に同じ仕様で同じつくり方をしています。

大島:キーチャームとかでお茶を濁さず、きちんと便利に使えてこそキングジムの商品であると。そこに価値がありますよね。私のお気に入りの溶着部分も同じ仕様だし、本当にそのままサイズダウンされていて、これこそまさに「機能美」です。

通常シリーズと同じにつくられています

 

金谷さん:製造は大変ですが・・・そこは妥協せず。カラーベースの色も通常シリーズと同じ。カードサイズで統一したのも実用性を考えてのことです。

―好評につき、待望の第3弾が登場ということですね。

金谷さん:おかげさまで。第1弾は数量限定でしたが、思った以上に反響があってすぐに完売しまして。第2弾からは通常販売の商品として発売し、今回の第3弾が加わってバリエーションは6アイテムに増えました。

第2弾の商品たち

 

大島:表紙の素材も加工も同じだから、いつも使っているものと感触がいっしょ。触った瞬間に「あのファイルだ」とわかる。

金谷さん:ファイルの背見出しも、シートを変えられる仕様は同じです。しかもテプラで名前を貼りやすいように目盛りも付けて。

大島:抜かりない。「なんだ、ここは違うじゃん」と思わせたくないですもんね。

金谷さん:自社商品のオマージュだからこそ、手は抜けません。リアルさという意味では、この「指掛け穴」もですね。指が入らないので、もはや機能としてはゼロですが(笑)、見た目の再現度を高めました。

指掛け穴もしっかり再現されています

 

大島:無駄だけど、無駄じゃない。ここまでやるから価値がある。こだわりの極地ですね。「キングミニ」という名前も、スッと腑に落ちるし。

―新アイテムはどんな使い方がおすすめですか?

金谷さん:名刺やポイントカード、診察券などの整理に便利ですね。私は仕事柄、こういった色見本のケースとして活用しています。

色見本のケースとして活用

 

大島:それは便利かも!

金谷さん:小さいのでなくなりやすいし、まとめて入れると探しにくいし。重宝していますよ。

大島:機能性、デザイン性、実用性。企業としての理念や姿勢が詰まった〈キングミニ〉は、キングジムの真髄であり終着点といっても過言ではない商品だと思っています。第4弾、第5弾と、こちらの想像を超えてどんどん可能性を広げていってほしいですね。

☆大島バイヤーの直筆!イラスト解説Part3☆
☆大島バイヤーの直筆!イラスト解説Part3☆

―今日はキングジムのいろいろな商品を取り上げましたが、改めて感じたことはありますか?

大島:〈キングファイル〉から〈ヒトトキ(HITOTOKI)〉、そして〈キングミニ〉まで、振り幅がエグい(笑)。ホントに同じメーカーなのかと。しかも全部が全力投球。こうやって改めて商品を見ていくことで、そのすごさを再認識しました。さすがキングです、脱帽です。

金谷さん:これからも皆様のご期待にお応えできるように頑張っていこうと思います!

臼井さん:私たち自身も、楽しんで商品づくりができれば幸せですね。

大島:「そう来たか!」みたいな驚きを、まだまだたっぷり届けてくれるんじゃないかという期待しかないです。今日はありがとうございました!

 

大島バイヤーの編集後記

事務文具の王様は、文房具だけでなく、アイデアの王様で、かわいいものも、ダジャレも好きな、国民に愛される王様でした。
バイヤーとしてお客さんとしていち文具好きとして、次の王様のアイデアは何かな?って楽しみにしてます。

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